新型コロナ終息後に観光旅行したい国・日本はアジアでトップ、欧米豪でも2位の人気!

2020年の前半全世界に広がった新型コロナウィルス感染拡大の影響で訪日外国人が激減し、世界中でも旅行業界に深刻な影響を与えています。来年に延期となったオリンピック・パラリンピックはどうなるのでしょうか。

新型コロナウィルスが外国人旅行者の海外旅行や訪日旅行の意向に与えた影響を調査すべく、株式会社日本政策投資銀行(DBJ)と公益財団法人日本交通公社(JTBF)が共同で、アジア・欧米豪12地域の海外旅行経験者6,266人を対象とした緊急アンケート調査を2020年6月2日~6月12日に実施しました。2020年8月に「DBJ・JTBF アジア・欧米豪訪日外国人旅行者の意向調査(2020 年度 新型コロナ影響度 特別調査)」と題した調査レポートを発行しました。今回の調査結果の概要とポイントは以下のようになりました。


新型コロナ終息後の海外旅行意向は強く、日本の人気は変わらず高い

〜安全・安心を徹底し、日本の「清潔さ」を更なる強みに~

2020年6月の時点で、今後の海外旅行について、6ヶ月以内に海外訪問を行くと回答した割合はアジア、欧米豪ともに20%を切っている。5時間未満の海外旅行をの移動の海外旅行に行くと回答した割合は30%なので、長距離移動であるほどハードルが高いと言える。海外訪問決行予定者であっても新型コロナへの不安を抱いており、特にアジアは強い不安を抱いている。

海外観光旅行の検討を再開するタイミングとしては「抗ウイルス薬の開発など、新型コロナの脅威が消滅してから」、「WHOのパンデミック終息宣言後」、「渡航希望先の安全宣言後」、「自国の出国制限措置の解除後」という回答が多く、訪日外国人旅行者数が従前通りに戻るには相応の時間を要するであろう。

新型コロナの流行終息後における海外旅行の意向は、アジアで86%、欧米豪で74%と強い全体的に欧米豪居住者の方が、海外旅行に行きたいという回答が多かった。また、新型コロナ終息後に海外観光旅行をしたい理由としては「海外旅行が好きだから」という回答の他、アジアを中心に「リラックスや癒やしを得たいから」、「海外で体験したいことがあるから」という回答が多い上、新型コロナ終息後の海外観光旅行において、予算が増加し、滞在日数が長期化するという回答が相対的に多い。

新型コロナ終息後に観光旅行したい国・地域として、日本はアジアではトップ、欧米豪でも2位の人気であり、新型コロナ感染拡大前から変わらず日本人気は高い。一方で、新型コロナ終息後の訪日旅行全般に期待したいこととしては衛生面における配慮、清潔さ、消毒などのウイルス対策全般の継続」がアジア・欧米豪ともにトップであり、全体の36%を占める。特にアジアからのウイルス対策全般に対する期待は高い。

新型コロナは旅行者の旅行形態や同行者に関する意向にも変化を与えた。希望する旅行形態として、3密が想起されやすいフルパッケージツアー(航空券と宿泊施設がセットになったパック旅行に食事・観光・添乗員や現地ガイドが含まれているツアー)は新型コロナ拡大前よりも人気が落ちる一方で、ダイナミックパッケージ(航空券と宿泊施設のみがセットになったパック旅行)の人気が高まっている。同行者についても、行動履歴がわかる「配偶者・恋人」や「自分の子供」の選択率がより高くなっている。

他の国・地域と比較すると、日本は多言語対応に対する評価は全体的に低く、また、台湾等と比較すると新型コロナの被害が少ない国と評価されているとは言い難い。一方で、「買い物」、「食事」、「治安のよさ」等に加え、「清潔さ」が高く評価されている。

これらの結果を踏まえ、新型コロナ終息後の高い海外旅行意向およびアジアを中心とした日本人気を捉まえるためには、ウイルス対策全般の継続などの安全・安心に関する取り組みを徹底し、「清潔さ」という日本の強みを更に一層活かすことが重要であろう。その上で、特に新型コロナへの不安度が高いアジアに対して、それぞれの言語で正確な情報発信を行うとともに、高単価かつ長期滞在を求める訪日外国人旅行者の取り込みに繋げるべく、リラックスや癒やしおよび体験型観光といった旅行者のニーズを満たすための準備を今の段階から進めることが重要であろう。

出所:(株)日本政策投資銀行・(公財) 日本交通公社


新型コロナウィルス感染症の細かい情報は、厚生労働省の特設ページから、様々な国の言語で確認することできます。厚生労働省HP 新型コロナウィルス感染症について

アフターコロナに多くの訪日外国人を安心して迎えるために、今から出来る様々な取り組みを徹底して行くことが課題です。

(2020/9/9)