日本への入国を待機している留学生を救え

 「日本からは来られるのに、なぜ私達は日本に行けないの?」

 日本の在留資格を持っているのにも関わらず、日本への入国ができずに待機をしている留学生の言葉です。新型コロナ感染拡大の影響で、2020年4月以降、留学生の新規入国がほぼ停止状態となっています。一方で留学のための入国審査手続は通常どおり継続されており、査証発給のための在留資格認定証明書(COE)は交付され続けています。
 日本語を学ぶ人は世界に300万人以上いると言われています。その中で、日本留学を目指す人は年間で約4万人、1%に過ぎません。その貴重な人たちが、コロナ禍の入国制限に阻まれ、来日できずにいます。彼らの多くは、何年もかけて日本留学を目指して準備してきた若者たちです。観光やスポーツイベントのために来日する人たちとは質的に大いに異なり、これから日本の一員あるいはパートナーとなる人たちです。
 既にCOE(在留資格認定証明書)を持ちながら待機している留学希望者は、約3万人いると推定されています。既に1年以上も待たされている留学生もいます。コロナ禍にあっても、海外では留学生受け入れが着々と進められています。G7各国の中で、未だ留学生を受け入れていないのは、なんと日本だけです。日本からは留学生を送っている対象国がありますが、それらの国々からの留学生をも受け入れていないのです。
 今年夏に開催されたオリンピックには、オリンピック選手やメディア、放送局、関連スタッフなど、約9万人が来日しました。それなのになぜ、3万人の待機留学生達は入国できないのでしょうか?全ての留学生は公式スポンサー(学校)を持ち、誓約書に署名をし、学生ビザを取得することができます。 誓約書では、学生の日本への入国を安全なものにするために、全ての入国手続きを行い、入国審査を遵守し、必要な検疫や検査を確実に行うことを約束しています。
「コロナ禍の日本留学の扉を開く会」は、海外で日本入国を待つ学生たちが今、どのような状況にあるのか、その実情を把握するためにアンケート調査を実施しました。その結果、外国人留学生の悲惨な状況が次々と明らかになり、留学生を入国させるべく活動を開始しました。

留学生の声

 留学生の声をいくつか紹介します。ここに掲載されていない多くの声に耳を傾けてください。
  • 仕事を辞めることになりました。非常に大きなUnivisionというテレビ局での仕事です。もし、入国制限 が解除されなければ、私が今まで取り組んできたことや計画が実現出来ず、今後の人生に大きく影響します。(Lissette, 30歳、アメリカ)
  • 私の人生は1年以上も止まったままです。これまでに2回、仕事を失っています。短期間の仕事を見つけるのは簡単ではありません。アパートを借りることも買うこともできないので、今は両親と一緒に暮らしています。私の忍耐力は限界に達しています。私は検疫から予防接種までできることは何でもするつもりです。日本政府は今すぐ明確な日付を記したを何らかの計画を提示するべきです。このままでは、私はまた新しい仕事を探さなければならないでしょう…、日本への入国がすぐにはできないからです。本当に本当に悲しくて、悔しくてたまりません。(Iris、29歳、オランダ)
  • 日本に入国するだけのために人生の重要な1年を無駄にしてしまったので、私は不満と失望を感じています…私の人生とキャリアのすべてがかかっています。私はすでに1年以上待っているのです。(Ashish、20歳、ネパール)
  • 獲得した奨学金をあきらめなければならず、二度とその募集に参加することはできません。つまり、私のキャリアにおいて、交換留学生としての経験を生きることはできないのです。(Paula、21歳、メキシコ)
  • 留学後は日本で就職し、日本と日本文化に貢献するつもりです。私の語学力、EUと日本の政治・法律に関する知識を十分に活かせば、EUと日本の学術・経済交流に大きな貢献ができるはずです。さらに留学中、修士論文で東アジアの国際関係、また、EUと日本の関係を対象にした研究を計画しており、これも日本にとって意義あるものとなるでしょう。私の研究は、日本がグローバルな舞台で自由主義的な価値観を推進するための国際的なアクターとして重要な役割を果たしていることに焦点を当てており、特に欧州連合との協力関係においてこの役割をさらに発展させる方法を理解するのに役立ちます。(Laura、27歳、ドイツ)
  • 私は、パンデミックが始まった2020年3月末に、東京に引っ越す予定でした。私は本業を辞め、家具をすべて売り払い、アパートを賃貸に出していました。幸運にも賃貸契約を延長することができましたが、1年以上前から家具のない段ボール箱に囲まれて暮らしています。パンデミックの影響で仕事が見つからず、フリーランスの仕事に頼らざるを得ない状況で、精神的にも疲弊しています。将来の計画を立てることもできず、待機状態の1年だったような気がします。控えめに言っても、これは大変なことで、この待ち時間と目的のなさのために、私の肉体的、精神的な健康は損なわれました。(Iku、29歳、ベルギー)
 日本が鎖国を続ける状況の中で、海外では留学生を受け入れている国が多く、日本への留学を諦め中国や韓国に切り替える学生も出始めています。それは、日本の未来を支えてくてる若者たちを失っっているということです。新規入国の留学生によるクラスターは発生しておらず、かつ非常にコントロールされた受け入れ体制が整備されています。これ以上、留学生の貴重な時間を無駄にしてはいけません。詳しくは、「コロナ禍の日本留学の扉を開く会」公式サイトをご覧ください。

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