岩手県の酒蔵「南部美人」クラフトジンとクラフトウォッカ 2021年8月18日 販売開始

南部美人は世界の55の国や地域に輸出をしている岩手県二戸市にある日本酒の蔵元。明治の時代から「温故知新」の精神で5代に渡り美味しい酒を作り出している株式会社南部美人は、2021年8月18日に同社初の蒸留酒となるクラフトジンとクラフトウォッカの初回限定生産版「ザ・ファーストロット」の発売を開始した。「ザ・ファーストロット」はジン、ウォッカ共に2021本ずつの限定販売、アルコール度数は60%と高純度だ。商品の全てのロット番号を蔵元が手書きしている。

商品開発のきっかけとなったのは、昨年、コロナ禍で岩手県内の消毒用アルコールが品薄となった事だったと、5代目蔵元の久慈浩介氏は記者会見で話した。その消毒用アルコールの製造するために取得した「スピリッツ」の免許を生かしながら、「酒蔵として酒を楽しんでもらいたい」という思いから、「ジン」と「ウォッカ」製造をすることなったと言う。

クラフトジンとクラフトウォッカの製造を始めたもう一つの大きな理由は、コロナの影響で、日本全国で日本酒の販売量が激減し、酒米が余る事態になってしまった事だ。南部美人では、酒米を契約栽培で依頼しており、日本酒の生産量が減っても契約している全量の酒米を買い取っている。そして、余ってしまった酒米を使って、ジンとウォッカを作ることにしたのだ。

クラフトジンとクラフトウォッカは、岩手県産の材料にこだわっている。

一般的にジンは、ジュニパーベリーを始め、様々な木や花や果実などボタニカルを使い、香りに特徴を持たせるのが特性だ。南部美人の「クラフトジン」は、そのボタニカルに「浄法寺漆」を使っている。二戸市の名産「浄法寺漆」は、日本一の生産量を誇り、ユネスコの無形文化遺産登録や日本遺産登録もされている。漆を使ったジンは日本初だ。漆の木をそのまま使うのではなく、一度炙って使う事により香ばしいスモーキーな香りを感じることが出来る。

ウォッカは、ロシアで多く飲まれているアルコールで、ウォッカの国際ルールでは「白樺の活性炭でろ過する」ことが定められている。岩手県久慈市平庭高原の白樺林は、全国でも有名である。その平庭高原の白樺を炭にして使用している。クラフトウォッカは米由来の高濃度アルコールの旨味やまろやかさを大事にしながら、白樺の炭によるろ過で純粋な味に研ぎ澄まされている。

南部美人は、今回のクラフトジンとクラフトウォッカの海外輸出も予定しており、日本で製造されるジン、ウォッカの中で初めて完全菜食主義者「ビーガン」の国際認定も取得した。岩手県産にこだわった酒で世界に挑む。

南部美人のクラフトジンとクラフトウォッカの初回限定生産版「ザ・ファーストロット」は200ml:¥10,000 (税別)で、南部美人直送ネットショップから購入できる。また9月中旬から発売予定の通常商品は、アルコール度数が45%、クラフトジンは、700ml:¥4,300 (税別)、200ml:¥1,650(税別)、クラフトウォッカは、700ml:¥3,900 (税別)、200ml:¥1,350(税別)。

南部美人蔵元直送ネットショップhttps://www.nanbubijin.jp/shopbrand/ct65/

9月中頃に発売される通常版のボトル